「対話インタビュー」
ワークショップ
「対話インタビュー」
ワークショップ
「対話インタビュー」とは……
二人一組が向き合い語り合うようすを
二台のビデオカメラで撮影・編集して
「対話の記録」を作るワークショップです
ドキュメンタリー映画『なみのおと』などをヒントに
2017年から
田口康大(3710lab・教育学者)と福原悠介(映像作家)が
小学校~大学などで特別授業として実施してきました
聞き手にも向けられるカメラの存在によって
「対話」を意識しながら
単なる情報とは違う記録を残すと同時に
映像が持つ力について
参加者が主体的に考えるための試みです
「対話インタビュー」の流れ
1撮影
二人のひとが二台のカメラの前で、時間を決めて話し合う。何組も繰り返して撮影をする。授業のときは生徒・学生自身がカメラマンをやる場合もある。
2編集
素材を見直し、二台のカメラを切り替えながら編集する。授業のときは、生徒・学生自身がやる場合もある。
3上映
撮影・編集した映像をみんなで見て、感想を共有する。映像はDVDにまとめて関係者に配布する。
これまでの「対話インタビュー」
NO.1 岩手県九戸郡洋野町種市
『岩手県九戸郡洋野町種市の対話インタビュー』は、2017年度に岩手県立種市高等学校にて行われたワークショップの成果として作成したものです。
ワークショップは「海の記憶の伝承プロジェクト」と題し、その土地に住む人々の「記憶を記録する」をテーマに実施しました。
地元の食材を提供する食堂を営む庭さん、種市を代表する職業である南部ダイバーの磯崎さん、海女の根井さんや学校の用務員の庭瀬さんと、高校生であるSOLTメンバーに「インタビュー」をきっかけとした「対話」に挑戦してもらいました。
最終的には、高校生自身が、対話をしている語り手/聞き手それぞれが映る二本の映像を切り替えながら、一本の映像作品としてまとめました。
NO.2 宮城県石巻市荻浜/狐崎浜
2017年8月21、22日の二日間にわたり宮城県石巻市荻浜中学校にて、Reborn-Art Festival2017の連動プロジェクトとして実施された特別授業「<人が生きる術>を探る」の記録です。荻浜中の生徒が親や親戚とおこなった三つの「対話インタビュー」と、授業のドキュメンタリー映像を収録しています。<人が生きる術>とはそもそも何なのか、それはどのように継承されていくのかという問いに、「教育」の観点から、「対話インタビュー」の手法を通じて取り組みました。
NO.3 宮城県気仙沼市唐桑町小原木地区
2018年3月31日をもって閉校することになった宮城県気仙沼市立小原木小学校にかつて通った人や撮影時に通っていた人同士が、学校時代の思い出や学校への思いなどを語り合った映像記録です。2018年3月6日と7日に実施された、全26名による18組の「対話インタビュー」が収録されています。公の記録には残りにくい個人的な「記憶」の語り合いを通じて、145年にわたる小原木小の歴史をさまざまな角度から浮かび上がらせていく試みです。
NO.4 岩手県洋野町立中野中学校
2019年3月31日に岩手県洋野町立中野中学校を卒業する生徒同士が、卒業を前に、学校の生活や部活動のこと、個人的な悩みや将来のことなどを語り合った映像記録です。2019年2月14日と15日に実施された、全18名による9組の「対話インタビュー」が収録されています。生徒たちが学校で過ごした三年間の実感を、彼ら自身が語り/聞き合うすがたを通して、中野中学校のひとつの歴史として残していく試みです。
NO.5 宮城大学(2019年度)
2019年10月29日から2020年1月14まで宮城大学でおこなわれた講義「感性情報デザインⅢ」で制作された映像記録です。学生たちがそれぞれチームにわかれて「在校生・留学生・他大生・高校生・教授」と「大学」をテーマに語り合ったようすを、学生自身が撮影・編集しました。「撮る/撮られる」経験を通して、身をもって映像に対するリテラシーを学びながら制作された「宮城大学の対話インタビュー」は、人々の「大学」についての実感のアーカイブであると同時に、聞き手である学生たち自身の記録でもあります。
NO.6 宮城大学(2021年度)
宮城大学事業構想学群価値創造デザイン学類「感性情報デザイン演習Ⅲリサーチ系」2021年度演習(2021年10月12日~11月9日)の一環として制作された映像記録です。学生たちがそれぞれ「インタビュー」をテーマに映像制作をする授業のなかでワークショップとしておこなわれ、学生自身が撮影・編集しました。「撮る/撮られる」経験を通して、身をもって映像に対するリテラシーを学びながら制作された「宮城大学の対話インタビュー」は、「コロナ禍」を対話のきっかけにして、向き合って直接話すことや他者との距離感を問い直す記録でもあります。
プロフィール
田口康大
教育学者
1983年青森市生まれ、宮城県仙台市育ち。東京大学大学院教育学研究科特任講師。人と教育との関係についての研究と、教育を軸とした多様なプロジェクトなどを連関させて行い、新たな教育のあり方を探求している。「海とヒトとを学びでつなぐ」をテーマに活動する3710Lab(みなとラボ)を主宰。
福原悠介
映像作家
1983年宮城県仙台市生まれ。アートプロジェクトや民話語りなど、地域の文化を映像で記録している。おもな監督作品に『家にあるひと』、参加作品に小森はるか『空に聞く』、小森はるか+瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうたを編む』など。記録集『セントラル劇場でみた一本の映画』企画・編者。
メイキング映像
「宮城県石巻市荻浜/狐崎の対話インタビュー」ができるまで
2017年8月21、22日の二日間にわたり宮城県石巻市荻浜中学校にて、
Reborn-Art Festival2017の連動プロジェクトとして実施された特別授業「<人が生きる術>を探る」の記録としておこなわれた
対話インタビューのメイキング映像です。
「対話インタビュー」ワークショップの感想
・10年以上の付き合いでも顔を合わせて話すのは少し緊張しました。実際に話してみると、知らなかったことがたくさんあって驚きました。このような機会でなければ、聞けかなかったことを聞くことができてよかったです。
・あらたまって二人だけで向かい合って話すということはあまりしたことがなかったので、とても緊張したました。もっとリラックスして話をすればよかったなと、振り返って思いました。また、大人になってから同じように対話インタビューをするのもおもしろいなと思いました。
・このような時でないと話さないようなことを話したので恥ずかしかったです。話していて、自分が思っているよりも相手は自分のことをわかってくれていて驚きました。
メディア掲載事例
2019年4月10日
三陸新報「小原木小の歴史再認識ー「対話インタビュー」上映会」
2019年2月19日
デーリー東北「中野中3年生2人1組で「対話インタビュー」 思い出や夢 自由に 卒業前に、じっくり語り合う」
2019年2月17日
岩手日報「卒業前に胸の内打ち明け 中野中が対話インタビュー」
2018年3月9日
三陸新報「学校の思い出残そう 対話形式で映像収録」
2017年9月2日
河北新報「休校の荻浜小に彩り 鑑賞ツアーや体験教室」
- お問い合わせ
「映像作品を見てみたい」「ワークショップを実施したいなど」
お気軽にご連絡ください!
© 2019